『モダンフューチャリズム』by Coco
今回ご紹介するのは、モダンフィーチャリズムをテーマにしたコーディネートです。
◆モダンフィーチャリズムとは
モダンフューチャリズムのもととなったのは、20世紀初頭にイタリアを中心として起こった前衛芸術運動(未来派)です。過去の芸術の徹底破壊と、機械化によって実現された近代社会の速さを称える点が特徴で、近代文明の産物や、機械の登場によって生まれた新たな視点を、芸術に取り入れようとしたのがはじまりです。
ファッションにおけるモダンフューチャーは1980年代頃から流行しはじめました。これからの社会の将来や世界情勢に明るい希望が持てない不安の裏返しとして、これらの「かつての、希望と躍動に満ちあふれた未来を思い描いた時代」への一種の『郷愁』の対象として見ている現象の一つであるとも言えます。
先に投稿したケイちゃんが、文中で「レトロフューチャー」という言葉を使っていましたが、「19世紀後期から20世紀中期までの人々が描いた未来像」への懐古趣味や、当時のそういった描写を好み熱中する(現実の未来と比較し、郷愁性を楽しむ)ことを指して、昔のモダン=今のレトロ、と呼ばれているようです。
◆コーディネートのポイント
・シルエット
カーヴィーライン(曲線)を使ってコーディネートを組む、という課題でもあり、ウエストのくびれ、バストとヒップのボリューム感で、アワーグラスシルエットを作りました。またジャケットの前の開きを流れるような曲線にすることで速度感を出し、ここにも「カーヴィーライン」をつくりました。
ジャケットはユニクロのウルトラライトダウンジャケットで、今や街中にあふれていますが、これはテクノロジーの進歩により量産できるようになったものです。この技術的な新しさも近代的なイメージを与えてくれます。(今シーズンはフラッシュカラーなどのカラフルなフェイクレザーのジャケットも出てきています。これも、技術革新の賜物ですね。)
・パターン
トップスは花柄のティアードになっており、女性らしさを表現しています。今シーズンはロマンティックなアイテム×スポーティテイストの組み合わせも出ているので、意識して取り入れてみました。スカートは蝶の織り柄になっていて控えめな光沢感があります。トップスの花柄とスカートの柄で今シーズンらしいパターンオンパターン(柄物と柄物を合わせる)を取り入れています。全体がうるさくならないように、パターンの色の系統をそろえ、オリーブ色のスポーティなジャケットでコーディネートをまとめました。
・テキスタイル
ジャケットのメタリックな質感はまさに近未来的です。スカートの蝶の織り柄は控えめな光沢感があって女性的ですが、どこか懐かしいような感じがする柄ではないでしょうか。
Coco