50代男性のコーディネート

新宿高島屋

靴ベルト売り場
・レザースニーカー(ブラウン)       ¥17,640
・レザーベルト
(ライトブラウン×ダークブラウン)    ¥8,500
AUSTINREED
・タートル(モスグリーン)          ¥9,900
NEW YORKER
・セーター(オレンジ)            ¥19,000
五大陸
・ヘリンボーンパンツ(ベージュ)      ¥19,000
PAPAS
・シャツ(カーキ系チェック)         ¥12,600
RALPH LAUREN
・ダウンブルゾン(カーキ)          ¥31,000
DAKS
ウールマフラー
(オフホワイト×ライトブルー×パープル) ¥10,000   

計(内税)                     ¥134,022(6,382)   

・スタイリングを受ける前はパーソナルスタイリストについてどうお考えでしたか?
まず、“スタイリスト”というのはテレビや雑誌の中の世界のものだと思っていました。
今回のようなことがなければ一生縁のないものだったと思います。
スタイリストというよりオシャレに縁がなかったですし、服は清潔ならばよいと思っていました。
・スタイリングを受ける前にカウンセリングをさせて頂きましたが、カウンセリングを受けてみてどのように感じましたか?
わりと広範囲にわたって調べるのだなと思いました。特に印象に残っているのは、家族 との会話のことです。
『息子さんと最近本音で話し合ったりしていますか?』という質問には正直ドキッとしまし た。
それと、ファッションのことよりも自分の生活状況などを多く聞かれ、服は服という考えで はなく、服と自分の生活や内面が共通していないと本当のオシャレではないということに は目からウロコといった感じでした。
・実際にスタイリストと一緒にショッピングをしていたときに感じたことなどを教えてください。
まず驚いたのは、自分のためにあらかじめ入念に下見をしていてくれたことです。しかも どれも自分では選べないようなものでした。
正直なところ、着てみるまでは自分には派手すぎるような気がして少し不安もありました が、着てみると自分でも『良いなぁ』と思わず、納得。さらに組み合わせも色々提案してく れ、これなら自分でも着ることが出来そうだと思いました。
自分の体調なども気遣いながら進めてくれたのが嬉しかったです。
・ショッピングを終えてからの写真撮影などについてはどうでしたか?緊張していたように見えましたが(笑)
最初は緊張して棒のように立っていたのだけを思い出します。
しかし、やはり選んでもらった服を着た自分を見ると、今までの自分とは全く違い、だん  だんと自信?が付いてきてきたのか最後の方にはポーズなんてとってしまって・・・今思 い返しても、自分の行動にビックリしています。
・その後、何か変わったことなどはありますか?自分自身や周囲の反応などを教えてください。
私の場合、周囲の反応が変わり、自分の気持ちが変わっていった気がします。
と言うのも、選んでもらった洋服を着たら家族や知人から『どうしたの?』とか『Sさん  今日キマッてるね!』という言葉を何回も聞きました。
『別に普通だよ。』と答えながらも、少し鼻が高くなるような気持ちでした。
それに一番違うのは、以前より格段に外出をすることが楽しくなったことです。
以前は、ある服を何となく選んで外出していた私が、最近では妻の全身鏡を使って着こ なしをチェックしてから外出をしています。
うまく言葉には出来ないのですが、何というか・・・本当に元気をもらった気がします。
ファッションによって人の気持ちまで変えることが出来る、自信、勇気を引き出してくれる と、痛感しました。
残りの人生、いきなりは無理ですが、これからは私なりにオシャレを楽しんでみようと思 っています。

パーソナルスタイリストから

今回、Sさんをスタイリングさせて頂くにあたり、私が最も心配していたのはSさんの体調のことです。
Sさんは昨年の4月に生死に関わるようなとても大きなご病気をされ手術をし、今でも定期的に通院されているとのことでした。
ご本人は私に心配させることのないよう「最近ではゴルフにだって行くのだから大丈夫だよ。」と言ってくださっていましたが、なるべく体力的に無理のないように進めていこうと思い、入念にショッピング計画を立てていきました。
スタイリングのテーマは『元気の出る服』。
以前のSさんのファッションは一言で言うと、とても保守的。
全体的にグレーや黒や茶と言ったダークな色ばかりで、明るい色の服はほとんど着たことがないとか・・・。
サイズも全体的に大きなものをお召しで、やや古い印象。そのせいなのか表情も暗く、顔色も良くない印象を受けました。
そして、カウンセリング中の『用があるとき以外はあまり外出しない。』の言葉は私にとってとても印象的でした。
“病は気から”
このままではいくら退院されたとは言え、また体調が悪くなってしまうのでは・・・と思いました。この『元気の出る服』は、私の願いでもありました。
実際に選んだものは、オレンジのボタンがポイントなセーターやグリーン×黄色のチェックのシャツ、モスグリーンのタートル、茶×ベージュのヘリンボーンのパンツにカーキのダウンジャケットなど・・・。
温かみのある色合いでポイントになるもの。品や、着易さ、着まわしがきくかなども考えました。
靴は履きやすいのにカジュアルになりすぎない茶の革のスニーカー、そして最後に選んだ水色×紫×生成りの少しだけかわいい印象のマフラー。このマフラーがコーディネートのカギと言ってもいいと思います。
このマフラー、もちろん暖色系の中に寒色系の色を入れることによってコーディネート全体を締め、爽やかな印象を与えると言う役目があるのはもちろんなのですが、私がそれ以上に表現したかったのは、Sさんがたまに見せるお茶目な一面や優しさでした。
服を着るということは、私にとって絵を描くようなもの。自分の思い、感じていること、気分などを表現でき、それを身に着けることができると思うのです。
今回、わたしはSさんの内面をいかに表現し、着心地よく、周囲の人もSさん変化を気持ちよく受け入れることが出来るか、ということを常に頭に置きながらスタリングをさせて頂きました。
ショッピングが終わり、最初はいきなりの変化に戸惑っていたようにも見えたSさんですが、着まわしの仕方などを色々提案しているうちに『どこの映画俳優かと思ったぁ』などと楽しいジョークが飛び出すほど余裕が出てきて、顔色まで良くなってきたように思えました。
そして最後、スタジオでの撮影へ。
ポージングがどうこうと言うよりも、私はSさんが終始笑顔でカメラの前に立ってくれたことが本当に嬉しかったです。
最後の、Sさんが私たちと肩を組んではにかみながら、とても幸せそうな表情で映っていた写真は私の宝物になっています!
『元気の出る服』
Sさんが元気になってくれたのはもちろんだったのですが、それ以上に私も元気をもらいました。
本当にありがとうございました!